害獣家屋侵入被害相談センター

有害鳥獣による被害

動物が住宅地を歩いているだけならば問題ありません。しかし、動物が建物や畑に侵入し、私たちに経済的、健康的、精神的な被害を引き起こすと、有害鳥獣ととして扱われます。

有害鳥獣が建物や畑に侵入する理由

有害鳥獣が特定の場所に居着く理由として、以下の理由が挙げられます。

  • 自分と子どもを守りやすい
  • 近辺にエサが豊富にある
  • 過ごしやすい温度

身近でこれらの条件が揃っている場所は、建物の天井裏や床下、壁の中、納屋です。
建物の天井裏や床下、壁の中、納屋は人間や外敵から見つかりづらく安全で、子供を育てる巣を作るのに向いた環境です。特に、建物の天井裏は断熱材が敷いてあるため暖かく、時期によっては暖房による暖かさもあるため、冬の巣として適しています。また、人間が住んでいる場所には、食べ物や生ゴミ、畑、実がなる木がある可能性が高いため、エサには困りません。

なぜ有害鳥獣は人の生活環境に侵入するのか

人間による動物への抑圧がなくなったことで、有害鳥獣が人の生活環境に侵入するようになったことが可能性として考えられています。昔は林業が盛んで頻繁に人が山を出入りすることで、動物を山に抑圧していました。しかし、木材の多くを海外から輸入するようになり、林業は衰退、人間が山を出入りする機会が減少しました。
その結果、動物への抑圧は弱まり行動範囲が広がったため、畑まで進出するようになりました。畑には作物が豊富で食べ物に困ることがなく、安心して生活できる場所として居着くようになり、今では暖かな住環境である建物に侵入するようになった可能性があります。

有害鳥獣による経済的被害

有害鳥獣が建物の天井裏や床下、壁の中に侵入すると、建物の破損による被害が発生する可能性があります。最悪、火災が起こる場合もあります。また、畑に侵入して作物を荒らす農業・畜産被害も経済的に大きなダメージとなります。

建物の破損

ハクビシン、アライグマ、イタチ、テン、アナグマ、ネズミ、コウモリなどの有害鳥獣が建物に侵入し、天井裏や床下、壁の中、家具などを破損させます。

■糞尿による破損

有害鳥獣が天井裏や床下、壁の中を巣にし、その場で繰り返しフンや尿をすることで破損に繋がります。
ハクビシン、イタチ、アナグマには同じ場所で繰り返しフンをする「溜め糞」という習性があります。また、コウモリは10匹前後の群れで巣を作ることが多く、さらに1日に自分の体重の半分以上のエサを食べるたため、大量にフンをします。
同じ場所で排泄を繰り返すと、天井や壁などに排泄物が染みて傷みます。特に天井裏は断熱材が敷いてあり、断熱材に排泄物が染み込んだら交換しなくてはなりません。また、排泄物が染み続けて傷んだ天井裏にハクビシンやアライグマなどの中型の動物が乗ると、天井板が抜け落ちてしまう可能性があり危険です。

■活動による破損

建物に有害鳥獣が侵入すると、その動物の体重や習性によって破損する場合があります。
ハクビシンやアライグマは体重が重いため、ただ天井裏を歩いただけでも「ドンドン」「ドタバタ」と足音が響きます。特に、天井裏へ侵入するために屋根から天井板の上に飛び降りる場合、最悪天井を踏み抜いてしまう恐れがあります。
ネズミは伸び続ける前歯を削るために柱や壁、家具など硬いものをかじる習性があります。壁をかじって侵入口を開けることもあり、その穴からネズミを追ってイタチやテンが侵入するケースもよく起こります。さらに、ネズミの穴をアライグマのなどの力の強い動物がこじあけて大きな穴にしてしまう恐れもあります。
アナグマは地面に穴を掘る習性があり、建物の床下に穴を掘ってしまう場合があります。床下に大きな穴を掘られると、最悪の場合、建物が倒壊する恐れがあります。

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■火災

有害鳥獣が原因で火災が起こる可能性があります。例えば、以下のような原因です。

  • ハクビシンが天井裏の配線でじゃれて強く噛んでしまい、漏電した
  • ネズミが伸び続ける前歯を削るために天井裏や壁の中の配線をかじって漏電した
  • ネズミが冷蔵庫の底を巣にし、冷蔵庫の配線にネズミの尿がかかって絶縁不良を起こした
  • ネズミがブレーカーの内部の配線に接触したためにショートした

東京消防庁の発表では、動物が原因の火災は毎年20件前後ほど起こっているとされています。

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農業・畜産被害

有害鳥獣による農業・畜産への被害も多く報告されます。中には、社会問題にまで発展している被害もあります。

■農業被害

農業への被害は深刻で、平成30年時点での農作物被害額は158億円と報告されています。有害鳥獣の中でもシカ、イノシシ、サルによる被害は全体の7割にのぼります。他にも、ヌートリアやタイワンリスなどによる被害も報告されています。
また、建物に侵入するハクビシン、アライグマ、イタチ、テン、アナグマ、ネズミなどの有害鳥獣による農業被害も目立ちます。これらの有害鳥獣はみな雑食の食性で、果物や穀物への被害が多く報告されています。

ハクビシン ぶどう、もも、柑橘類、柿 など
アライグマ すいか、ぶどう、にんじん、とうもろこし など
イタチ 柿、いちご、いちじく など
テン 柿、いちご、いちじく など
アナグマ 柿、いちご、いちじく など
ネズミ 米、イモ類、ナッツ類、 など

建物の敷地内や近所に果物がなる木や畑があると、農作物の被害を受けるだけでなく、建物に侵入されるきっかけにもなり得ます。動物にとっては豊富な食べ物が近くにあり、建物の天井裏床下、壁の中のような安全場所で巣を作れることは魅力的だからです。

畜産被害

畜産被害では、家畜を食べられる被害、飼料を食べられる被害、飼料を作るための農作物を食べられる被害が起こっています。シカやイノシシは飼料を作るための野菜を、ハクビシンやアライグマ、アナグマ、ネズミは飼料を食べます。イタチとテンは鶏舎に侵入し、ニワトリや卵を襲って食べる被害が多く報告されています。
鶏舎を持っている一般の家庭もたびたび見られますが、鶏舎がイタチやテンを寄せ付け、建物に侵入させるきっかけになる可能性があります。

有害鳥獣による健康的被害

有害鳥獣が建物に侵入すると、動物の身体についたダニやノミによるかゆみ・皮膚病、天井裏や床下、壁の中で繰り返しフンや尿をされたことによる衛生状態の悪化、動物自体についた雑菌による感染症の被害をこうむる可能性があります。

ダニ・ノミ

有害鳥獣は野外で生活しているため、ダニやノミが寄生しています。ダニやノミは痒みを引き起こすだけでなく、感染症の原因となるウイルスを媒介するものもいます。

■ダニ

ダニは世界中に少なくとも2万種類以上が確認されています。生息している場所は家庭、貯蔵された食品中、土、湿地、乾燥地帯、山など、多岐に渡ります。また、ダニは種類によって大きさも様々で、1ミリメートル以下のものや1センチメートルを超えるものもいます。エサについても様々で、動物に吸血するもの、動物に寄生するが吸血せずに分泌物などを食べるもの、ホコリの中の有機物を食べているものなどがいます。
ダニの中には感染症の原因となるウイルスを媒介するものや、糞や死骸によってアレルギーの原因となるものもいるため、注意が必要です。

イエダニ

イエダニは、激しいかゆみや赤い腫れなどの吸血被害をもたらします。未吸血時は身体の色が白く、体長は約1ミリメートル、吸血時は身体が赤黒くなり、体長は約1.3ミリメートルになります。日本全国に生息し、1年中活動しています。ネズミ、ウサギ、人間などへの寄生が確認されています。ハムスターや子ウサギなど、身体の小さな動物はイエダニの吸血による貧血症状が顕れる可能性があり、注意が必要です。

フタトゲチマダニ

マダニの一種で、日本紅斑熱や重症熱性血小板減少症候群などの原因となるウイルスを保有している可能性があります。未吸血時の身体は赤茶色で体長は約3ミリメートルですが、吸血時は身体が黒褐色になり、体長は約10ミリメートルになります。日本全国に生息し、主に5~10月に活動します。牛やシカ、犬や猫、鳥類、人間への寄生が確認されています。

キチマダニ

マダニの一種で、日本紅斑熱や野兎病などの原因となるウイルスを保有している可能性があります。背中が黄色いことが特徴で、体長は未吸血時で約体長3ミリメートル、吸血時で約8ミリメートルです。日本全国に生息し、1年中活動しています。多くの哺乳類や鳥類に寄生し、特にノウサギへの寄生がよく確認されています。

タカサゴキララマダニ

マダニの一種で、日本紅斑熱や重症熱性血小板減少症候群の原因となるウイルスを保有している可能性があります。体長は未経吸血時で約5ミリメートル、吸血時で最大25ミリメートルです。本州、四国、九州、沖縄に生息し、主に4~11月に活動します。ハクビシン、アライグマなどの中型動物、イノシシや馬などの大型動物、鳥類、人間などに寄生します。

シュルツェマダニ

マダニの一種で、ライム病の原因となる細菌ボレリアを保有している可能性があります。体長は2.5~3.2ミリメートルです。中部、東北、北海道に生息し、主に6~7月に特に被害が増加します。多くの哺乳類や鳥類、及び人間に寄生します。

ヒゼンダニ

ヒゼンダニはヒゼンダニ科のダニです。体長は0.2~0.4ミリメートル、卵型で平たく、半透明の褐色の身体です。ヒゼンダニは動物の表皮に寄生し、表皮内にもぐり込むと、疥癬(かいせん)という皮膚感染症を引き起こす可能性があります。疥癬はハクビシン、アライグマ、イタチ、テン、アナグマ、ネズミ、猫、犬などの動物や人間が感染します。

ツツガムシ

ツツガムシはツツガムシ科のダニで、幼虫はツツガムシ病の原因となるウイルス「リケッチア」を保有している可能性があります。体長は0.2~0.3ミリメートルの赤色の身体で、幼虫はオレンジ色です。ツツガムシ病の被害は特に5~6月、11~12月に増加します。発生国内でツツガムシは100種以上報告されています。主にネズミなどの齧歯目やノウサギなどの野生動物に寄生しています。

■ノミ

ノミは動物から吸血する昆虫で、世界に2000種以上いるといわれています。吸血された動物はかゆみや腫れ、皮膚疾患などの症状が引き起こる可能性があります。1度の繁殖で20個前後の卵を産みますが、気温が13度以下となると産卵をしなくなります。
ノミはとても高い跳躍力を持った昆虫で、最大で約30センチほど跳ねることができます。しかし、一定の方向へ進行することはできないため、不特定の方向に繰り返し跳ねて宿主にたどり着きます。

ネコノミ

ノミと言うと、一般的にネコノミを指します。日本に棲むノミの多くはネコノミといわれています。ネコノミの宿主は猫ですが、猫以外にも犬、ハクビシン、アライグマ、イタチ、ネズミ、人間など、あらゆる動物に寄生します。

イヌノミ

イヌノミは犬をはじめ、猫、ハクビシン、アライグマ、イタチ、ネズミ、人間など、あらゆる動物に寄生します。外見はネコノミとよく似ています。イヌノミの個体数は年々減っています。

ヒトノミ

ヒトノミは人間をはじめ、犬、猫、ハクビシン、アライグマ、イタチ、ネズミなど、あらゆる動物に寄生します。ヒトノミは建物の近辺に生息しますが、日本では衛生環境の整備に伴い、ほぼ見られなくなりました。

ケオプスネズミノミ

ケオプスネズミノミはネズミなどげっ歯類をはじめ、犬、猫、人間などあらゆる動物にも寄生します。日本では本州、四国、九州に生息しています。 ケオプスネズミノミはペストや発疹熱のリケッチアを媒介しますが、これまでに日本での発生は報告されていません。

雑菌による感染症

ペット、家畜、野生動物に限らず、動物は病原体を保有しています。動物から人間に感染症がうつる過程として、以下の2通りが挙げられます。

■直接伝播 動物と直接触れ合うことでうつる

動物に噛まれる、引掻かれる、身体に触る、排泄物や唾液に触るなど、動物と直接触れ合うことでうつる場合です。

■間接伝播

食べ物や水、ダニや蚊、土壌など、物や環境を通して動物から人へうつる場合です。

■建物に侵入する有害鳥獣からうつる可能性がある感染症

疥癬(かいせん)

疥癬はヒゼンダニが皮膚の角質層に寄生することで引き起こされます。疥癬は、感染した動物や人との皮膚接触によってヒゼンダニがうつってしまうことにより感染します。疥癬には数十匹以上のヒゼンダニの寄生による激しいかゆみが引き起こる通常疥癬と、100~200万匹のヒゼンダニが寄生し角質増殖した状態となる痂皮型疥癬(かひがたかいせん)の2パターンがあります。

ツツガムシ病

ツツガムシ病はリケッチアという細菌を保有するダニの一種、ツツガムシの幼虫に刺されることで引き起こされます。山林や草むらで感染する場合が多いです。10~14日の潜伏後に頭痛、悪寒、発熱、倦怠感、多数の1~2センチメートルほどの紅斑などの症状が顕れます。治療が遅れたことによる脳炎、肺炎、心不全で死に至った症例もあります。

日本紅斑熱

日本紅斑熱はリケッチアという細菌を保菌するキチマダニやフタトゲチマダニ、ヤマトマダニなどのマダニに刺されることで引き起こされます。山林や草むらで感染する場合が多いです。2~8日の潜伏後に頭痛、悪寒、発熱、倦怠感、多数の紅斑などの症状が顕れます。ツツガムシ病よりも潜伏期間が短いですが、症状はよく似ています。

重症熱性血小板減少症候群(SFTS)

重症熱性血小板減少症候群は、フタトゲチマダニやタカサゴキララマダニなど、SFTSウイルスを保菌するマダニに咬まれることで症状が引き起こるダニ媒介の感染症です。SFTSウイルスの潜伏期間は6~14日で、発熱、下痢、嘔吐、筋肉痛、神経症状、リンパ節腫張、出血などの症状が顕れます。致死率は10~30%程度です。

ライム病

ライム病は、スピロヘータという細菌を保菌するシュルツェマダニなどのマダニに咬まれることにより引き起こる感染症です。ライム病に感染すると、マダニに咬まれた部位は赤い斑点となり、周辺に赤斑が広がります。これは遊走性紅斑と呼ばれるライム病の特徴的な症状です。同時に、発熱、頭痛、悪寒、倦怠感、筋肉痛、関節痛といった症状も引き起こります。感染後期になると重度の皮膚病や関節炎の症状が顕れますが、国内での報告はありません。

サルモネラ感染症

サルモネラ感染症はサルモネラ菌が原因で起こる感染症です。国内では2000年時点で年間518件のサルモネラが原因の食中毒が発生しました。しかし、2010年時点では年間73件にまで減少しました。サルモネラ感染症の初期症状は、吐き気や嘔吐、腹痛、下痢、症状が進行すると下痢や嘔吐による脱水症状、菌血症などになる場合もあります。

カンピロバクター食中毒

カンピロバクター食中毒は、カンピロバクター属の細菌が原因で起こる感染症です。国内では2015年時点で年間318件、2089人がカンピロバクター感染症にかかりました。カンピロバクター食中毒の初期症状は、吐き気や嘔吐、悪寒、頭痛、腹痛、水様便や血便などの下痢、倦怠感、症状が進行すると下痢や嘔吐による脱水症状になる場合もあります。

トキソプラズマ症

トキソプラズマ症はトキソプラズマという寄生虫が寄生して発症する感染症です。トキソプラズマはほぼ全ての哺乳類や鳥類に寄生します。日本では年間で約10人前後にトキソプラズマ症が発症しています。トキソプラズマ症は発症しても多くの人は無症状ですが、10~20%ほどの人にはインフルエンザのような症状が見られる場合があります。また、妊娠している人が感染すると先天性トキソプラズマ症が発症する可能性があり、流産や死産、胎児に視力障害や脳性麻痺などの症状が顕れる場合があります。

エルシニア感染症

エルシニア感染症は、エルシニア属の細菌が原因で起こる感染症です。国内では年間に1~4件ほど発症しています。症状は腹痛や下痢、発熱、敗血症、関節炎など、人により様々です。

狂犬病

狂犬病は狂犬病ウイルスが原因で発症する感染症です。狂犬病ウイルスを持つ犬や猫、アライグマ、コウモリなどの野生動物に噛まれる、引掻かれるなどの被害を受けると傷口から感染します。国内では1957年以降に発症した事例はありませんが、全世界では毎年3.5~5万人が狂犬病により死亡しています。
狂犬病の潜伏期間は1~2ヶ月で、初期症状として吐き気や嘔吐、発熱、頭痛、咳や喉の痛み、倦怠感が顕れます。次第に傷ついた患部の疼きや知覚異常などの症状がみられ、興奮や不安、幻覚、錯乱、攻撃、筋肉の痙攣へと症状が進行し、最終的に昏睡状態になり、死亡します。狂犬病に感染した人はほぼ100%死亡します。

アライグマ回虫感染症

アライグマ回虫感染症は、アライグマ回虫が体内を移動して引き起こされる幼虫移行症が原因です。アライグマ回虫が人間にうつる経路として有り得るのは、アライグマが人間に噛み付き、アライグマ回虫の卵が人間へ渡ってしまった場合などです。アライグマ回虫はアライグマ以外の動物の体内では成虫になることがなく、人間の体内を幼虫のまま移動します。日本国内では発症した報告がなく、アメリカでは1981年以来、12例が報告されています。
アライグマ回虫感染症は、体内のアライグマ回虫の卵の数と、アライグマ回虫が体内のどの部位を移動したかによって症状が異なります。特に重篤な症状では、好酸球性髄膜脳炎、発育障害など神経系の後遺症を残す神経幼虫移行症や網膜炎、視力障害を残す眼幼虫移行症などです。

リッサウイルス感染症

リッサウイルス感染症は、リッサウイルスが原因で引き起こる感染症です。リッサウイルスに感染したコウモリに人間が噛まれることで発症します。日本国内では感染事例はなく、世界でもこれまでに9例しか報告されていません。
症状は狂犬病と似ており、初期症状は吐き気や嘔吐、発熱、頭痛、咳や喉の痛み、倦怠感が顕れます。次第に傷ついた患部の疼きや知覚異常、発声や嚥下の困難などの症状がみられ、興奮や不安、幻覚、錯乱、攻撃、筋肉の痙攣へと症状が進行し、最終的に昏睡状態になり、死亡します。狂犬病と同じく、死亡率が非常に高い感染症です。

ニパウイルス感染症

ニパウイルス感染症は、ニパウイルスが原因で引き起こる感染症です。ニパウイルスに感染したコウモリから豚や馬にうつり、豚や馬を介して人間にうつった事例が報告されています。日本国内で感染した人はこれまでにおりません。ニパウイルス感染症に感染すると、初期症状として吐き気や嘔吐、めまい、発熱、頭痛が顕れます。重症化すると、高次脳機能障害、筋緊張低下症、意識障害などの症状がみられ、約50%の人が回復、約15%程度の人に後遺症が残り、約35%の人が死亡してしまいます。

ヘンドラウイルス感染症

ヘンドラウイルス感染症は、ヘンドラウイルスが原因で引き起こされる感染症です。ヘンドラウイルスに感染したコウモリから馬にうつり、馬の体液や組織と人間が接触してうつります。人間から人間への感染例はありません。人間の感染例は少数で、オーストラリアで感染した3名のみです。ヘンドラウイルス感染症に感染すると、初期症状として吐き気や嘔吐、めまい、発熱、頭痛が顕れます。重症化すると、肺炎などの呼吸器障害、髄膜脳炎による意識障害、痙攣などの症状がみられ、死亡する場合もあります。

ラッサ熱

ラッサ熱はラッサウイルスが原因で引き起こるウイルス性出血熱です。自然宿主である野ネズミの唾液やフン、尿などに触れる、もしくは野ネズミに直接噛まれるなどの理由で人にうつります。また、人から人へは粘膜や体液を介して感染します。7〜18日の潜伏期間の後、初期症状として発熱、咳や喉の痛み、頭痛、倦怠感、40度前後の高熱がみられます。重症化すると、消化管粘膜の炎症、顔面の浮腫、腹膜炎などの症状が見られ、約1~2%の確率で死亡する人がいます。

レプトスピラ症

レプトスピラ症はレプトスピラ菌が原因で引き起こされる急性熱性疾患です。レプトスピラ菌はドブネズミなどの動物の腎臓に保菌されており、それらの動物の尿で汚染された水や土壌を介して口や粘膜、傷口からの経口感染、皮膚を通過する経皮感染によって人間にうつります。レプトスピラ症は5 ~14 日間の潜伏期の後、初期症状として頭痛、腹痛、発熱などの症状が顕れます。重症化すると、黄疸があらわれ、出血、腎障害などの症状に発展する可能性があります。

ハンタウイルス肺症候群

ハンタウイルス肺症候群は、シンノンブレウイルスをはじめとするハンタウイルス属のウイルスによって引き起こされる急性呼吸器感染症です。ネズミなどのげっ歯類が保菌しています。ウイルスを保菌した動物の唾液や排泄物に汚染された土壌や水、ホコリなどを介して傷口や粘膜から経口感染します。日本での感染例はまだありません。ハンタウイルス肺症候群は約7~30日間の潜伏期の後、発熱、頭痛、吐き気や嘔吐、筋肉痛などの初期症状が顕れます。その後、咳や呼吸困難の症状が顕れ、最悪24時間以内に死亡する可能性もあります。

腎症候性出血熱

腎症候性出血熱は、オルソハンタウイルスをはじめとするハンタウイルス属のウイルスによって引き起こされる流行性出血熱です。アフリカ、アジア、ヨーロッパに棲むげっ歯類の動物が保菌するハンタウイルス属のウイルスによって引き起こされる感染症です。日本での最近の事例では、1970~1980年代に実験用の動物から感染が拡大し、1名の死者が出ました。
腎症候性出血熱の潜伏期間は基本的には1~2週間です。軽症の場合では微熱や上気道炎症、軽度の血尿や蛋白尿などの症状が顕れます。重症の場合、悪寒や筋肉痛の初期症状の後、全身に十分に血が送られないショック症状、腎臓の機能障害などの症状が顕れます。

SARS(重症急性呼吸器症候群)

SARSは新型のコロナウイルスが原因の感染症とされています。中国広東省で非定型性肺炎の患者が報告されたことに始まり、2003年よりSARSの呼称で報告されました。2003年7月5日にWHOによって終息宣言が出されました。当初はハクビシンが原因である可能性が高いとされていましたが、後にコウモリが原因であるとの見解が有力とされています。
SARSの初期症状では発熱、悪寒、筋肉痛などインフルエンザに似た症状が顕れます。その後は非定型肺炎に進行し、咳、呼吸困難、水様性の下痢などの症状が顕れ、約20%が呼吸不全となります。世界で8098名の感染者、774名の死者、日本国内での死者は0名です。

エボラ出血熱

エボラ出血熱はエボラウイルスが人間の体液に触れることで感染するウイルス性出血熱です。エボラウイルスに感染したサルやコウモリの体液と人間の体液が接触し、その後人から人へと感染が広まったとされています。2~21日の潜伏期の後、発熱、頭痛、倦怠感、筋肉痛、喉の痛みなどの症状が突然顕れます。その後、嘔吐、下痢、胸の痛み、吐血、下血の症状が顕れます。エボラ出血熱はワクチンや治療法が無く、致死率は50%以上です。近年では、2018年からコンゴ民主主義共和国の北東部にてエボラ出血熱が流行し、2020年に終息宣言が出されました。死者は2年間で2287名です。

COVID-19(新型コロナウイルス)

COVID-19は、コロナウイルス「SARS-CoV-2」が粘膜に付着することにより感染します。SARS-CoV-2が付着した物を介した接触感染や、咳やくしゃみ、閉鎖空間や至近距離での会話などによる飛沫感染が主な感染経路です。中国からコウモリが原因で感染が拡大したとされています。
COVID-19の初期症状は鼻水、咳や喉の痛み、発熱、倦怠感などが5~7日ほど続きます。中には、味覚や嗅覚に障害が起こり味やにおいが分からなくなる人もいます。重症化すると、肺炎や気管支炎、呼吸不全といった症状が顕れ、さらに症状が悪化すると、急性呼吸器症候群(ARDS)、多臓器不全、敗血症性ショックなどが起こり、死亡する場合もあります。COVID-19に感染しても、人によっては無症状の場合や軽症で済む場合もあります。
2020年12月時点でのCOVID-19の感染者数は、世界で6520万名、死者は151万名、国内での感染者は15.6万名、死亡者は2174名です。

有害鳥獣による精神的被害

有害鳥獣による被害は悪臭・不眠、神経症など、精神的な健康にも害を及ぼします。

悪臭

糞尿

ハクビシンやアナグマ、タヌキなどの動物は「溜め糞」という習性を持っています。溜め糞をする動物は、同じ場所で何度も糞をします。建物の天井裏や床下を排泄の場所にされると、繰り返し糞尿をされ、ひどい悪臭を放ちます。

エサや動物自体の腐敗

有害鳥獣が建物内の巣に持ち込んだエサが腐って悪臭を放ちます。野生動物はエサをすべて食べ切らないことも多々あるため、巣に食べ残したエサが残ります。特に、イタチやテンは肉を好むだけでなく安全な巣にエサを持ち帰って食べる習性があるため、動物性の食べ物が腐り、強烈な腐敗臭を放ちます。
また、動物自身が建物内の人目につかない場所で死んでしまい、そのまま腐敗して悪臭を放つケースもあります。

イタチの臭腺から放つにおい

イタチの肛門付近には「臭腺」という器官があり、そこから強烈なにおいのする黄色い液を放ちます。臭腺の液は、驚いたときや威嚇、マーキングの際に放たれます。臭腺から放たれる液はひどい悪臭で、においがなかなか取れません。

不眠・神経症

有害鳥獣は基本的に夜行性の動物です。人が寝静まる深夜に足音や鳴き声を立てるため、不眠や神経症の原因となる可能性があります。

足音・鳴き声

有害鳥獣の中には天井裏に侵入するものがいます。ハクビシン、アライグマ、イタチ、テン、ネズミ、コウモリなどです。ネズミやイタチといった小型の動物は「トコトコ」という小さな足音を、ハクビシンやアライグマなど中型の動物は「ドンドン」という大きな足音を立てます。

鳴き声

有害鳥獣は天井裏や床下、壁の中に侵入した際に鳴き声を上げることがあります。ハクビシンは「キッキッ」、アライグマは「クルクル」、イタチは「キーキー」、ネズミは「キュッキュッ」といった声です。

ご自身で害獣の駆除をするのが難しい方や、駆除したけれど改善が見られない場合は、044-798-3103までお電話ください。被害の状況のご確認、現状の診断、対策方法をご提案します。

害獣家屋侵入被害相談センターとは?